LINE公式アカウントのメンバーシップ機能の使い方

LINE公式アカウントの新機能として、2023年1月よりメンバーシップのサービスの提供が開始されました。

メンバーシップでは、LINE公式アカウントのサブスク型サービスとして会員へ向けた有料コンテンツの提供が可能です。メンバーシップ機能を使うことでユーザーとの結びつきが深まり、LINE公式アカウントの継続した利用が期待できます。

この記事では、LINE公式アカウントのメンバーシップ機能について解説します。メンバーシップの使い方や手数料についても紹介しているので、メンバーシップの利用を検討している人は参考にしてみて下さい。

メンバーシップ機能はLINE公式アカウントのサブスク型サービス

LINE公式アカウントのメンバーシップ機能は、友だちからの月額課金を通じて会員限定のサービスや特典を提供するサブスク型サービスです。メンバーシップ加入者限定のコンテンツの配信や特典の付与、オンラインサロンとしての運用など様々な使い方ができます。

メンバーシップの利用で、企業はLINE公式アカウントの運営による継続的な収益を得ることが可能です。また、ユーザーはメンバーに加入することで限定の特典を手に入れることができるため、LINE公式アカウントの利用促進にもつながります。

ただし、メンバーシップはLINE公式カウントのWEB版管理画面のみで利用できる機能です。スマホアプリからは登録や管理ができないため、メンバーシップを利用したい場合はPCから操作を行いましょう。

メンバーシップ会員限定のコンテンツを配信できる

メンバーシップ機能は、会員限定のコンテンツの配信やイベントの先行予約といったファンクラブとしての活用が可能です。インフルエンサーや個人で活動するクリエイターといった、エンタメ分野のLINE公式アカウントでの利用に向いています。

たとえば、メンバーシップ加入者だけが閲覧できる動画を定期的に配信することで、動画を目的としたファンからのメンバーシップ登録が見込めます。また、イベントの申し込みにメンバーシップ枠を設けて、優先的に参加できるといった特典も有効です。

メンバーシップ限定のサービスを用意することで、ファンであるユーザーとの結びつきが深まり、LINE公式アカウントの利用促進が期待できるでしょう。

オンラインサロンの決済に利用できる

メンバーシップ機能は、オンラインサロンやオンラインレッスンでの活用にも向いています。メンバーシップではサービスの提供だけでなく、月額料金の決済もLINEアカウント上で行うことができるためです。

LINEのメンバーシップを使ったオンラインサロンを活用することで、レッスン動画の配信に加えチャットやビデオ通話を使って直接コミュニケーションを取ることができます。また、受講料としてメンバーシップの料金を設定すれば、外部のシステムを通すことなく決済が可能です。

ただし、メンバーシップのプランに設定できる金額は月額￥400～￥15,400（税込）となっています。LINE公式アカウントのメンバーシップを利用してオンラインレッスンやセミナーを行う場合は、上限を超えない範囲で金額設定を行いましょう。

店舗の会員としてサービス利用時に特典を受けられるようにする

店舗の会員として、毎回のサービス利用時に特典を付与するといった使い方も可能です。

たとえば、飲食店のメンバーシップ特典として来店時に1ドリンクサービスの特典を付けることができます。メンバーシッププランの加入中に何度でも利用できる特典であれば、店舗の利用頻度の高いユーザーほどお得になるため、リピート率の向上も期待できます。

メンバーシップはオンラインでのコンテンツに限らず、割引やプレゼントといった特典を用意することで実店舗でも活用できます。メンバーシップに加入しているユーザーが繰り返し使える特典を用意すれば、リピーターの獲得にもつながるでしょう。

メンバーシップの利用条件

LINE公式アカウントでメンバーシップ機能を利用するには、以下の条件を全て満たしている必要があります。

【メンバーシップ機能の利用条件】

• LINE公式アカウントが認証済みまたはターゲットリーチが200人以上
• LINE公式アカウントをLINEアカウントアプリと連携している
• ログインしているアカウントが管理者権限を持っている

メンバーシップを利用するには、LINE公式アカウントへのログイン時にLINEアカウントログインを利用するか、LINEビジネスアカウントでログイン後にLINEアカウントとの連携が必要です。LINEビジネスアカウントでログインしている場合は、メンバーシップのページ内にある「LINEアカウントと連携」ボタンからLINEアカウントアプリとの連携を行って下さい。

メンバーシップ利用開始の流れ

LINE公式アカウントのメンバーシップ機能の利用は、以下の流れで行います。

1. メンバーシッププランを作成する
2. メンバーシッププランの審査をリクエストする
3. 特定商取引法に関する表記を登録してメンバーシッププランを公開する
4. URLやQRコードを使ってメンバーシップを宣伝する

メンバーシッププランを利用するには、プランの作成だけでなくプランの承認審査や特定商取引法に関する表記の登録が必要となります。プランが承認されるまではユーザーに加入してもらうことができないため、スムーズにプランを公開できるよう不備の無い申請を行いましょう。

メンバーシッププランを作成する

ユーザーに加入してもらうメンバーシッププランを作成しましょう。プランに設定する項目は以下の通りです。

（＊）は入力または選択必須項目

作成したプランはあとからでも編集できますが、プラン内容を変更した場合には再審査が必要となります。

また、プランの編集で「月額」と「お支払い方法」の項目は変更ができません。プランは複数作成できるため、料金や支払い方法を変更したい場合は新規のプランを作成しましょう。

メンバーシッププランの審査をリクエストする

作成したメンバーシッププランを公開するには、審査をリクエストしてプランが承認されるのを待つ必要があります。

審査のリクエストは、プランの作成後に「審査をリクエスト」ボタンをクリックすることで完了しますが、結果が出るまでに数日～数週間かかる場合があります。審査の基準や否認理由については公開されていませんが、特典内容の記載や支払い方法の選択に不備があると審査が承認されません。

また、LINE公式アカウントのガイドラインに反する内容が含まれる場合も審査に不合格となる恐れがあるため、プランの作成時には「LINE公式アカウント メンバーシップ機能ガイドライン」をご確認下さい。

特定商取引法に関する表記を登録してメンバーシッププランを公開する

メンバーシッププランが承認されたら、特定商取引法に関する表記を登録することでユーザーに向けてメンバーシッププランの公開が可能となります。

PC版管理画面の「メンバーシップ」タブの「設定」をクリックし、必要情報を入力して下さい。

【特定商取引法に関する表記への入力事項】

（＊）は入力必須項目

特定商取引法に関する表記は、ユーザーがメンバーシッププランを購入する際に確認されます。入力必須項目以外は、ユーザーからの問い合わせがあった場合にすぐに情報を提供できる場合に限り記載の省略が可能です。

特定商取引法に関する表記の登録が完了したら、公開したいメンバーシップのプランを選択して「プランを公開」にチェックを入れ、サービスの提供を開始しましょう。

URLやQRコードを使ってメンバーシップを宣伝する

作成したメンバーシッププランは、URLやQRコードを活用して宣伝が可能です。メンバーシップ宣伝用のURLのクリックやQRコードを読み込むことで、メンバーシッププランのリストを表示できます。

メンバーシップ宣伝用のURLやQRコードは「メンバーシップ」タブ＞「宣伝」から取得できます。URLを添付したメッセージの配信やリッチメニューへのリンクの設置、SNSでのQRコードのシェアなどが可能です。

また、LINE公式アカウントのプロフィールにメンバーシップの項目を設定し、プロフィールからメンバーシップ登録へ誘導することも可能です。多くのユーザーにメンバーシップの存在を周知し、プランへの加入をうながしましょう。

メンバーシップに加入しているユーザーへのメッセージ配信は無制限

メンバーシップへ向けたメッセージ配信は通数カウントの対象外となり、LINE公式アカウントのプランによる制限なく何通でも送ることができます。

メンバーシッププランが承認されると、メッセージ配信の配信先として「メンバーシップ」が追加されます。配信先にメンバーシップを指定し、メッセージを送信したいプランを選択することでメンバーシップに加入しているユーザーに向けて無料メッセージの送信が可能です。

ただし、配信先にメンバーシップを選択せずに送信した場合は、メンバーシッププランに加入中のユーザーへ送信されたメッセージの分も配信数にカウントされます。メンバーシップへのメッセージ配信も通常のメッセージ作成画面から行うため、メンバーシップへ向けてメッセージを配信する際は配信先が正しく選択できているかを確認しましょう。

メンバーシップの加入ユーザーは管理画面やチャット画面で確認できる

メンバーシップに加入したユーザーの確認は、メンバーシップの管理画面やチャット画面から行うことができます。

メンバーシップのプランごとの加入ユーザーは「メンバーシップ」タブ＞「メンバー」で一覧表示が可能です。プラン名のほか、メンバーシップの加入日と次回の支払予定日を確認できます。

また、個別チャットのトーク画面でも、ユーザーごとにメンバーシップ加入の有無を確認できます。メンバーシップに加入中のユーザーは、トーク画面右側に表示されるプロフィール欄に加入中のプラン名が表示されます。

誰がどのプランに加入してくれているのかを知ることで、プランごとのユーザーの傾向や、人気のあるプランを把握することが可能です。また、チャットでメンバーシップの特典に関する個別の問い合わせがあった際にも、トーク画面内でプランの確認ができるためスムーズに回答できるでしょう。

メンバーシップ加入中のユーザーにブロックされたらメッセージは届かない

メンバーシップに加入中のユーザーにブロックされた場合も、通常の友だちと同様にメッセージの配信ができなくなります。

メンバーシップに加入中であってもLINE公式アカウントのブロックは可能ですが、ブロックだけではメンバーシップの退会はされません。ユーザー自身でメンバーシップの退会操作をするまで、LINE公式アカウントへのメンバーシップの課金が継続されます。

メンバーシップに加入しているユーザーからメッセージが届かないといった問い合わせがあった場合は、間違えてLINE公式アカウントをブロックしていないか確認してみましょう。

メンバーシップでの売上には最大35％の手数料が掛かる

メンバーシップ機能の利用に月額料金や登録料などは掛かりませんが、メンバーシップの売上に対して最大35％の手数料が掛かります。

メンバーシップの決済方法にはApp内課金またはWEB決済のいずれかとなり、プランの作成時にどちらを利用するかの選択が必要です。メンバーシップで提供するサービス内容によって利用できる決済方法が異なり、決済方法によって手数料も変わります。

メンバーシップの特典に、動画配信やオンライン限定イベントの開催といったオンライン向けのサービスを含む場合はApp内課金を選択して下さい。来店時のサービスや割引特典、優先予約などLINEアプリ外で提供する特典のみの場合は、Web決済の利用となります。

適切な決済方法を選択しなければプランが承認されないため、自身の提供するサービスがどちらに該当するのかを確認し、間違いのないよう申請を行いましょう。

収益の確認と受け取り方法

メンバーシップで得た収益は、LINE公式アカウントの管理画面「設定」タブ＞「収益」タブ＞「ダッシュボード」から確認ができます。

収益の受け取りを申請する場合は、ダッシュボード内の「送金を申請」ボタンまたは収益タブの「送金申請」から申請を行ってください。送金手数料やスケジュールは以下の通りです。

送金手数料は1回の送金ごとに発生し、申請金額から差し引かれます。送金回数が増えれば送金手数料も増えるので、手数料を抑えたい場合は数か月分をまとめて申請すると良いでしょう。

なお、収益の受け取りには送金先情報の登録が必要です。収益の受け取り口座を指定していない場合は「収益」タブの「送金情報」から登録を行って下さい。

メンバーシッププランの非公開設定やプランの終了も可能

公開したメンバーシッププランを非公開にすることや、プランを終了することができます。

プランの非公開や終了時のステータスは以下の通りです。

プランを非公開にすると、既存のメンバーシッププラン加入者へのサービス提供はそのままに、新規の加入受付を停止できます。また、プラン終了を選択後は最大32日後までプランを残すことが可能ですが、プランが終了するまでは特典を継続させる必要があります。

プランの終了を選択した場合、プランの終了前であっても途中で取り消しや延長をすることはできません。ユーザーへのプラン終了の告知は、余裕を持ったスケジュールで行いましょう。

まとめ

LINE公式アカウントのメンバーシップ機能は、有料会員制で限定の配信や特典を提供できるサブスク型サービスです。オンラインサロンや限定の配信といったオンライン上のサービスだけでなく、割引やプレゼントなどの物理的な特典を用意することで実店舗での活用も可能です。

LINE公式アカウントのメンバーシップ機能を使うことで、LINE公式アカウントの継続的な利用に加え、店舗やサービス利用のリピートにつなげることができます。売上金の振込時に手数料は差し引かれますが、メンバーシップの運用自体に料金は掛からないため、LINE公式アカウントを使った集客や売上の施策としてメンバーシップ機能を活用してみましょう。