広告運用
自社に適したリスティング広告を選ぶには?種類と事前準備を解説
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株式会社SoLabo(ソラボ)は、SEO、コンテンツ制作、SNS戦略からデータ分析まで、総合的なデジタルマーケティングでお客様のビジネスをサポートします。
インターネット広告が主流となった現代において、リスティング広告は販路拡大や認知度向上のための効果的な手段として多くの企業で導入されています。 しかし、リスティング広告の多様な種類に戸惑い、運用開始を躊躇してしまう場合も少なくありません。
この記事では、3種類のリスティング広告を比較しながら、自社に適した広告を選ぶための事前準備を解説しています。運用前に知っておくべき注意点も紹介していますので、自社に適したリスティング広告を検討している人は、参考にしてみてください。
リスティング広告とは検索連動型のWeb広告のこと
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示されるWeb広告のことです。検索連動型広告とも呼ばれ、基本的にテキストのみで配信されます。テキスト広告は4つのセクションで構成され、それぞれ文字数が決められています。
リスティング広告はターゲティング精度や費用対効果が高く、審査に合格すればすぐに出稿できることから、Web広告のなかでも比較的始めやすい広告です。
なお、リスティング広告と比較されるWeb広告に「ディスプレイ広告」があります。
リスティング広告とディスプレイ広告では、ターゲットや配信目的に明確な違いがあります。リスティング広告が検索結果に連動した表示方法であるのに対し、ディスプレイ広告はユーザーの直接的な検索結果には連動せず、ユーザーの過去の行動履歴などを分析して関連性の高い広告が配信されます。
リスティング広告の特徴
リスティング広告は、ほかのWeb広告と比べてCTR(クリック率)が高いという特徴があります。リスティング広告が検索結果画面の上部に表示されることから、ユーザーの目に留まりやすいためです。
また、広告がテキストのみに集約されていることで、一目で広告の概要を理解しやすいといった特徴もあります。
【リスティング広告の一般的な特徴】
項目 | 概要 |
出稿先の媒体 | Google広告、Yahoo広告、Microsoft広告、など |
配信方法 | 検索連動型 |
掲載場所 | 検索結果の表示画面 |
フォーマット | テキスト |
構成セクション | キャンペーン、広告グループ、広告文、キーワード |
課金方式 | クリック課金(CPC課金) |
強み | ・ニーズが顕在化しているユーザーに直接アプローチできる
・検索結果画面の上部に表示されるため、視認性が高い ・クリック課金制で出稿自体に費用はかからない ・キーワードに合わせた広告配信によってターゲティング効果が高い ・広告効果が測定しやすく、費用対効果を高められる |
弱み | ・ニーズが潜在化しているユーザーへの訴求は難しい
・リスティング広告の需要増加により競争が激化している ・人気のキーワードなどはクリック単価が上がる ・広告効果はランディングページの質に左右される ・広告運用には専門的な知識が必要になる |
リスティング広告は、狙ったキーワードに合わせて広告を配信することで、関心度が高まった状態のユーザーに直接的なアプローチが可能です。そのため、テキストのみの広告であってもクリックに繋がりやすい傾向があります。
一方で、選定するキーワードによっては競争率が高くなる場合があります。CTR(クリック率)やCVR(獲得率)に見られる広告効果は、検索キーワード、広告文、ランディングページの一貫性や質で左右されるため、キーワード選定と広告文作成は非常に重要な作業になります。
リスティング広告は、ニーズが顕在化しているユーザーに的確にリーチし、決められた文字数の中でニーズに適した魅力的なテキストを届けるための工夫が必要であり、広告の訴求力を高めることで広告効果の最大化が見込めるようになります。
リスティング広告で使用できる文字数や掲載にあたって注意すべきルールなどは「リスティング広告で使用できる文字数とは?出稿時の注意点も解説」で説明していますので、広告テキストを作成する際は、参考にしてみてください。
リスティング広告の種類
リスティング広告は、出稿先の媒体に応じて種類があり、サービス概要が異なります。
リスティング広告の二大媒体である「Google広告」と「Yahoo広告」は、国内シェアの9割を占め、リーチ数と広告効果の高さから多くの企業で利用されています。そして、2022年5月末の提供開始から需要が高まっているのが「Microsoft広告」です。
3種類のリスティング広告を比較しながらサービス概要を確認してみましょう。
【リスティング広告の種類とサービス概要】
広告の種類 | Google広告 | Yahoo広告 | Microsoft広告 |
運営会社 | LINEヤフー株式会社 | マイクロソフト | |
検索エンジン | Google検索 | Yahoo! 検索 | Bing検索 |
利用者数 | 世界最大 | 国内第2位 | 世界第2位/国内第3位 |
配信面 | Google検索結果画面、Googleパートナーサイト、Googleショッピング、など | Yahoo! JAPAN検索結果画面、Yahoo!パートナーサイト、Yahoo!ショッピング、Yahoo!ニュース、など | Bing検索結果画面、Microsoftパートナーサイト、Yahoo!検索結果画面、など |
ターゲティング方法 | キーワード、配信設定、ユーザー属性、オーディエンスカテゴリー、リマーケティング | キーワード、配信設定、オーディエンスカテゴリー(リターゲティング) | キーワード、デモグラフィック、リマーケティング (LinkedInプロフィール情報も利用可能) |
入札方法 | 手動入札、自動入札 | ||
課金方式 | クリック課金 (CPC課金) | ||
推奨予算 | 約20~30万円/月(最低利用金額なし) | ||
強み | 世界最大の広告ネットワーク、運用データや広告フォーマットが豊富、高度なターゲティング | 国内第2位の広告ネットワーク、配信面が豊富
、高いエンゲージメント |
Bing検索エンジンへの広告掲載、ビジネス特化型SNS「LinkedIn」のプロフィール情報に基づいたターゲティング |
弱み | 競争が激しい、CPC(クリック単価)が高い | Yahoo!検索ユーザーの減少、海外へのリーチが弱い | 配信ボリュームが少ない、配信面が限定される、運用データに乏しい |
適している広告主 | スマホユーザーがメインターゲットの企業、海外展開を求める企業 | PCユーザーがメインターゲットの企業、高齢者層にリーチしたい企業 | BtoB商材を扱っている企業、Bing検索ユーザーにリーチしたい企業 |
Google広告は、世界最大の広告ネットワークによって高いリーチ力を持つ広告プラットフォームです。Google検索の国内シェアが7割以上、世界シェアが9割以上を占めることから幅広いユーザー層へのアプローチや海外に向けた事業展開を求める企業に適しています。
一方で、Yahoo広告はGoogle広告に比べて年齢層の高いユーザーにリーチしやすい傾向があります。1995年のインターネットの普及からGoogleの参入まではYahooが台頭していたことから、月間アクティブユーザー数ではGoogleを超え、特に40代以上のPCユーザーに利用されています。
Google広告とYahoo広告に次いで利用者の多いMicrosoft 広告は、生成AI「Copilot」の普及によって徐々に需要を高めています。企業が独自で収集した顧客情報である「ファーストパーティデータ」の質の高さを強みとし、匿名で信頼できるデータを基に個人に合わせた広告を配信できることから、BtoB商材を扱う企業に適しています。
なお、3種類のうち、初心者でも始めやすいリスティング広告として挙げられるのは、Google広告です。運用データや機能・設定などが豊富で、国内外での広告表示回数も多く、Googleアナリティクスによる効果測定など、充実したサービスが支持されています。
リスティング広告は、種類が豊富でどれを選べば良いか迷いますが、それぞれの広告の種類とサービスを把握すれば意思決定がスムーズになります。自社に適したリスティング広告が選べれば、広告効果の最大化が期待できるでしょう。
自社に適したリスティング広告を選ぶための事前準備
リスティング広告を選ぶ際は、事前準備を徹底しておくと自社に適した広告が選びやすくなります。課題解決や目標達成に向けた広告戦略は企業によって異なるためです。
予算や条件、ターゲティングなどを明確にしながら広告効果の最大化が見込めるリスティング広告を選ぶことが重要です。
【自社に適したリスティング広告を選ぶための事前準備】
項目 | 内容 | 詳細 |
課題 | 現状の課題を洗い出す | 売上減少、顧客獲得率の低下、認知度の低迷、広告宣伝費の圧迫など |
目的 | 広告の運用目的を明確にする | 売上向上、新規顧客の獲得、リピート率の向上、認知度拡大など |
ターゲット | 顧客のペルソナを設定する | 年齢、性別、職業、ライフスタイル、興味関心など |
条件 | 広告の配信条件を決める | キーワード、地域、曜日、時間帯、デバイスなど |
予算 | 広告費の上限を設定する | 目標達成に必要な費用を考慮し、クリック単価や月額費用などの予算を設定する |
競合分析 | 競合他社の状況を把握する | 競合となる企業が出稿している広告を把握し、差別化できるポイントを探す |
運用方法 | 自社で運用するか、外部に委託するか決める | 自社運用はコストを抑えられるが専門知識が必要、外部委託は費用がかかるが専門知識が補える |
リスティング広告は、出稿する媒体によってリーチできるユーザー層が異なります。したがって、顧客のペルソナを設定したうえで、ターゲティングや配信設定などの機能面の違いを考慮しながら自社がターゲットとするユーザー層にリーチできるリスティング広告を選ぶことが重要です。
また、設定できるキーワードの種類やマッチタイプについても出稿する媒体で違いがあります。リスティング広告はキーワードの設定が広告効果に大きく影響するため、競合分析を行って他社と差別化できるようなロングテールキーワードやニッチキーワードを効果的に活用しましょう。
キーワード選定の手順については「リスティング広告のキーワードを選ぶ際の手順を解説」で説明していますので、参考にしてみてください。
広告運用前に知っておくべき注意点
リスティング広告を出稿する前に、注意点を確認しておきましょう。注意点を把握しないまま広告運用を進めると、目標達成に余計な時間がかかったり、費用対効果が低くなったりするためです。注意点を知ることは、予期せぬリスクを防ぐ意味でも大切です。
【リスティング広告の注意点】
注意点 | 詳細 |
競争が激しく予算をオーバーしやすい | キーワードによってはクリック単価が高騰したり、広告が表示されにくくなったりするため、想定よりも費用がかかってしまう場合がある |
広告の最適化に時間がかかる | キーワード選定、広告文の作成、入札単価の調整といった継続的な作業が必要なため、最適化に時間がかかる |
専門知識が求められる | CV率や費用対効果を定期的に測定し、改善していくための専門知識が必要になる |
法令遵守が必須となる | 誇大広告や虚偽広告の禁止など、広告表現には制限があり、徹底した法令遵守が求められる |
クリック詐欺やなりすし広告のリスクがある | 不正クリックや競合他社によるなりすまし広告の被害を受ける可能性がある |
リスティング広告は他のWeb広告と比べて即効性が高く、多くの企業が参入しています。競合他社と入札競争になるとクリック単価が高騰し、競り負けると広告が表示されにくくなることから、検索順位を上げようと無理をすると想定よりも費用がかかる場合があります。
したがって、リスティング広告を出稿する際は、広告費の上限を設定した上で、目標達成までに投下できる予算の見通しを立てることが重要です。ニーズが顕在化しているユーザーからアクションを獲得するためには、運用設定を継続して調整する必要があります。
また、蓄積された運用データからCV率や費用対効果を定期的に測定して改善していくためには専門知識が求められます。自社にスキルが足りない場合は外部委託も検討しながら運用基盤を整えましょう。
なお、リスティング広告の広告文を作成する際は、訴求力を意識しすぎると規約違反に繋がる恐れがあります。さらに、アドフラウドといった不正クリックやなりすまし広告による詐欺被害も増加傾向にあるため、対策を講じておくと安心です。
まとめ
リスティング広告は、販路拡大や認知度向上に効果的な手段として多くの企業で導入されています。検索エンジンの検索結果表示画面に視認性の高いテキスト広告を出稿する検索連動型広告で、CTR(クリック率)が高いといった特徴があります。
リスティング広告の種類は出稿先の媒体によって異なります。利用率のトップ3を占めるGoogle広告、Yahoo広告、Microsoft広告は、機能や設定、リーチできるユーザー層などに違いがあり、それぞれの強みや弱みを比較することで選択肢が絞りやすくなります。
リスティング広告を選ぶ際は、事前準備を徹底することが大切です。予算や条件、ターゲティングなどを明確にしておくと、自社で運用した場合の広告効果の最大化が見込めるようになります。
また、リスティング広告の運用を始める前には、知っておくべき注意点があります。競争が激しく予算をオーバーしやすい点や、広告の最適化に時間がかかる点など、どの注意点も広告効果を高めるために欠かせないポイントです。
リスティング広告を選ぶ際は、リスティング広告の特徴と出稿媒体別の種類、広告運用前の注意点をしっかりと把握し、自社に適したリスティング広告を選びましょう。