LINE運用・配信代行
LINE公式アカウントの絞り込み配信をする条件や指定内容の特徴
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LINE公式アカウントでメッセージ配信をする時に、自社のターゲットになりやすい年齢や性別の人や、自社のウェブサイトを閲覧してくれた人のみに配信を絞ってメッセージ通数の消費を抑えたいこともあると思います。
LINE公式アカウントでは属性や行動を指定し、一部のユーザーのみにメッセージを配信する絞り込み配信(セグメント配信)が可能です。しかし、絞り込み配信を使うには100人以上程度の友だち登録が必要になるケースが多いです。
ここでは、LINE公式アカウントの絞り込み配信の条件や指定内容の特徴を解説します。
絞り込み配信は登録者数が100人を超えるようなアカウント向け
LINE公式アカウントの絞り込み配信は、友だち登録が少なくとも100人を超えるようなアカウント向けです。絞り込み配信をするにはターゲットリーチが一定以上必要なケースが多く、登録者が少ないアカウントだと機能の多くを利用できないためです。
ターゲットリーチとは友だち登録者数からブロックと属性不明を差し引いた数で、実際に絞り込み配信可能な人数を指します。絞り込み配信をするにはターゲットリーチの数が100人以上、指定後の配信ユーザーが50人以上必要なケースが多いので、この人数に満たないアカウントでは絞り込み配信を活用するのが難しいです。
とはいえ、無料のコミュニケーションプランでもメッセージ通数が200通は利用できるので、登録者数が100名以下のアカウントなら一斉配信が月に1回以上はできるので、絞り込み配信をしなくても一括配信を月に一度はプラン変更なしでできます。
そのため、もし登録者数が100人に満たない場合は全ターゲットユーザーに一括送信し、アカウントが100人を超える規模間になってきたら絞り込み配信の利用を検討すると良いでしょう。
LINE公式アカウントで使える絞り込み配信の種類
LINE公式アカウントでは、属性、オーディエンス、過去の配信の3種類の絞り込み配信ができます。
絞り込み配信種類 | 特徴 | ターゲットリーチ数 |
属性 | 「男性/女性」「20代」などユーザーの属性別に配信できる | 機能利用に100人以上
配信するのに50人以上 |
オーディエンス | 過去の配信を開いてくれたユーザーなど、特定のアクションを起こしたユーザーや、IDやタグを設定して個別のユーザーに配信できる | 多くの場合は配信するのに50人以上
IDやタグの設定があれば1人から絞り込める機能あり |
過去の配信 | 以前に利用した絞り込み条件で配信する | – |
絞り込み配信を利用すると属性とオーディエンスを併用して配信ユーザーを絞り込むことができるため、自社サービスに関心の高いユーザーに絞ってメッセージを配信することも可能です。
たとえば、20代の女性をターゲットにした雑貨屋のアカウントの場合、属性でターゲットユーザーを指定したうえ、過去の配信でリンクをクリックしてくれたユーザーにのみメッセージを絞ることができます。
反響のあった過去の配信を繰り返し利用することもできます。そのため、属性とオーディエンスの指定を色々と試してみて、自社サービスに合うターゲットユーザーを見つけると良いでしょう。
スマホアプリ版では属性のみ絞り込み配信できる
LINE公式アカウントにはウェブブラウザ版とスマホアプリ版の2つがありますが、スマホアプリ版では属性の絞り込み配信のみ対応しています。属性の指定に関しては、アプリとブラウザでの差はありません。
オーディエンスや過去の配信はスマホアプリでは利用できないので、より細かい条件を指定して絞り込み配信をしたい場合はウェブブラウザ版を活用するようにしましょう。
属性で指定できる条件と特徴
属性を利用した絞り込み配信では、友だち期間、性別、年齢、OS、エリアの5種類を指定した配信が可能になります。
【絞り込める属性の特徴】
属性種類 | 特徴 |
友だち期間 | 6日以下、7日~29日(約1か月未満)、30日~89日(約3か月未満)など友だち登録した期間別に配信できる。 |
性別 | 男性/女性を指定する |
年齢 | 14歳以下からは5歳刻みで指定でき、上限は50歳以上になる |
OS | AndroidやiOSなどスマートフォンのOSを指定できる |
エリア | 各都道府県別や地方単位の指定ができる |
性別や年齢を設定すれば自社の商品やサービスのターゲットになるユーザーを指定できますし、店舗型のビジネスなら来客可能なエリアに絞っての配信も可能です。
友だち期間を指定するなら、特別な意図が無ければ登録期間が短めのユーザーに絞ると良いでしょう。友だち期間が短いユーザーの方がLINE登録の記憶が新しく、商品に興味もある可能性が高いので開封率の上昇が期待できます。
属性は一つしか指定できないものでなく、友だち期間6日未満の14歳から29歳までの東京都在住の女性のように複合的な指定ができます。様々な条件を試してみて、反響の良いユーザー層を探してみると良いでしょう。
属性データは確実なものではない
絞り込み条件で利用できる年齢や性別などの属性は確実なものではありません。絞り込み配信上で指定できる属性は、LINEが保有するユーザー行動データを元にした見なし属性であるため、実態とズレている可能性があります。
たとえば、10代を指定して100人に配信したとしても、その全員が10代であるとは限らないのです。
絞れる属性が実際のユーザー属性と異なることもあるので、メッセージ配信で属性を絞る場合でも、「男性の人」「20代の人」のようにメッセ―ジ上に相手の属性を記載しないほうが良いでしょう。
オーディエンスで指定できる条件と特徴
オーディエンス指定すると、クリックやインプレッションなど特定の行動をしたユーザーを絞り込んだメッセージ配信が可能になります。
【オーディエンスで指定できる条件と特徴】
オーディエンスの種類 | 特徴 |
ユーザーIDのアップロード | LINEのユーザーIDをTXT、CSVでアップロードして配信ユーザーを指定する。ユーザーIDの取得にはMessaging APIを利用する必要あり |
クリックリターゲティング | 60日以内の過去の配信でメッセージに添付されているリンクをクリックしたユーザーを指定できる。50人以上のオーディエンスが必要 |
インプレッションリターゲティング | 60日以内のメッセージを開封したユーザーを指定できる。50人以上のオーディエンスが必要 |
チャットタグオーディエンス | 事前に作成したチャットタグがついているユーザーにのみ配信できる。1人から配信できるので小規模なアカウント向け |
友だち追加経路オーディエンス | スタンプやLINEチラシ、検索などLINE公式アカウントを登録した経路別にユーザーを指定できる。50人以上のオーディエンスが必要 |
ウェブトラフィックオーディエンス | LINE Tagを設定した自社のウェブサイトを閲覧したユーザーの行動を指定してメッセージを配信できる。50人以上のオーディエンスが必要 |
オーディエンスを利用した絞り込み配信をする場合、事前に管理画面のデータ管理配下にあるオーディエンスを設定しておく必要があります。
オーディエンスの中では、ユーザーIDのアップロードとウェブトラフィックオーディエンスの2つはAPIの登録やタグの発行などLINE公式アカウント外で事前準備が必要であり、ウェブサイトと連携している大規模なアカウント向けです。
また、チャットタグはLINE公式アカウント内で完結できるものの、ユーザーに対してタグを割り振る手間が掛かります。その代わり、オーディエンスの人数が1人から配信できるので、小規模なアカウントには向いています。
その他のオーディエンスは事前準備は必要ありません。中でもクリックリターゲティングとインプレッションリターゲティングはLINE内の行動を指定してオーディエンスを作成でき、リンククリックやメッセージ開封などアカウントに興味を持ってくれているユーザーを指定できます。
そのため、100人以上などある程度のターゲットリーチを有するアカウントならクリックリターゲティングやインプレッションリターゲティングからオーディエンスを作成してみて、少人数なアカウントならチャットタグオーディエンスを利用してみるのが良いでしょう。
チャットタグオーディエンスの特徴と設定の手順
チャットタグオーディエンスを利用すれば、ユーザー個別に割り振ったタグから配信を絞れるようになります。
たとえば、水曜日に来店予定がある人に「水曜日」というタグを割り振っておき、前日の火曜日にタグがついている人にのみメッセージ配信をするというような活用方法ができます。
チャットタグオーディエンスを設定する時は、管理画面のチャット欄からユーザーを指定し、タグを設定していきます。
【チャットタグオーディエンスの設定の手順】
- 管理画面のチャット欄→チャット設定からタグを作成する
- 設定したタグを連絡先の登録ユーザーに設定する
- 管理画面のデータ管理からチャットタグオーディエンスを作成する
チャット設定で作成するタグ名は任意ですが、管理しやすいように分かりやすい名前を着けておきましょう。その後、メッセージを配信したいユーザーに連絡先からタグをつけていってください。
WEBサイトと併用しているならウェブトラフィックオーディエンスを活用する
自社のWEBサイトとLINE公式アカウントを併用しているなら、ウェブトラフィックオーディエンスを有効に活用できます。
ウェブトラフィックオーディエンスは特定のページを見たユーザーや、ウェブサイト上でバナーのクリックなど特定のイベントを起こしたユーザーのみに絞った配信ができます。そのため、ウェブサイト上で問合せの確度が高いユーザーのみを指定することが可能です。
たとえば、自社の商品ページや価格、サービス詳細ページを見た人は、商品やサービスに興味を持っている可能性が高く、これらのページを見た人にのみメッセージを配信すれば問合せの後押しに利用できます。
ウェブトラフィックオーディエンスを活用するには、事前にウェブサイトにLINE Tagを設定しておく必要があります。データはタグの設置から蓄積されるので、ウェブトラフィックオーディエンスの利用を考えている場合は、早めにタグの設定をしておくのをおすすめします。
オーディエンス作成後に準備中となった場合の解消法
オーディエンスを作成した直後は準備中と表示され、すぐには活用できません。オーディエンスが有効になるには数時間かかるケースがあるので、一旦はしばらく待ってみてください。
オーディエンス作成後はすぐに絞り込み配信に利用できないので、特定の時間や曜日を狙って絞り込み配信をしたい場合は予めオーディエンスを作成しておくのが良いでしょう。
なお、ユーザーIDのアップロードなどでファイルに不備があった場合は有効にならないケースもあります。設定から1日以上たっても準備中が解消されないケースなどはアップロードしたファイルや設定を見直し、それでも解消されない場合はLINE公式アカウントのサポートに問合せしてみてください。
まとめ
LINE公式アカウントでは、属性やオーディエンス設定をした絞り込み配信が可能です。しかし、絞り込み配信を行うには100名以上のターゲットリーチが必要になるので、小規模なアカウントではチャットタグオーディエンス以外の絞り込みを利用できません。
属性とオーディエンスの絞り込みは併用可能なので、様々な条件を指定して絞り込み配信を試してみて効率化していけば、自社商品に興味のあるターゲットのみにメッセージを配信できるようになります。