広告運用
LINE広告とは?特徴や必要な予算について解説
この記事の監修者
この記事を書いた人
株式会社SoLabo(ソラボ)は、SEO、コンテンツ制作、SNS戦略からデータ分析まで、総合的なデジタルマーケティングでお客様のビジネスをサポートします。
WEB広告を利用したい人の中には、LINE広告を検討している人もいるでしょう。LINE広告は多くのLINE利用者の目に留まる可能性があるため、広告の設定によっては集客の向上が期待できます。
この記事では、LINE広告の特徴や広告の配信方法を解説します。予算の消化など費用対効果についても解説しているので、LINE広告を使って広告配信をしてみたいと考えている人は参考にしてみてください。
LINE広告とは
LINE広告とは、月間9,500万人(2023年6月末時点)が利用するLINEに広告を出稿するための広告配信プラットフォームです。
LINEアプリ内の配信のみではなく、LINE NEWSやLINE 占いなどの各種ファミリーアプリのほか、ウェザーニュースやクックパッドなどのLINE広告ネットワークへの配信もできます。
LINEのさまざまなサービス画面に広告を配信することができるので、多くのLINEユーザーに広告を見てもらうことが可能です。初期費用、アカウント開設の費用が無料なので、LINE広告で料金が発生するのは広告配信費用のみになります。
LINE広告配信の特徴
LINE広告独自の特徴としては、以下の3つが挙げられます。
【LINE広告配信の特徴3つ】
- 幅広いユーザーにアプローチが可能
- オーディエンスの使用で配信したい層に絞って出稿できる
- ファミリーアプリや提携アプリにも表示される
LINEはアプリ内以外にも提携で広告ネットワークに広告を出稿できるので、他広告とは違った掲載方法も可能です。
幅広いユーザーにアプローチが可能
LINE利用者である幅広いユーザー層にアプローチができます。LINEアプリは性別や年齢、居住地域を問わず国内の多くのユーザーが利用しているアプリであり、LINE広告はアプリを利用する全てのユーザーに対してアプローチできるためです。
総務省の発表している「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、LINEを利用しているユーザーの年齢層は10代から60代以上と幅広くかつ、特定の年齢層に隔たることなく平均的に分布しています。利用率で言えば20代が97.7%と高く60代で76.2%と若い世代の方が高い傾向にありますが、60代までのすべての年齢層で1,000万人以上のユーザーがLINEを利用していることが想定されます。
【世代別のLINE率と想定ユーザー数】
年代 | 人口 | LINE利用率 | 想定ユーザー数 |
10代 | 12,009,000人 | 93.7% | 11,252,000人 |
20代 | 14,249,000人 | 97.7% | 13,921,000人 |
30代 | 18,207,000人 | 95.6% | 17,406,000人 |
40代 | 15,908,000人 | 96.6% | 15,367,000人 |
50代 | 17,495,000人 | 85.4% | 14,941,000人 |
60代 | 16,901,000人 | 76.2% | 12,879,000人 |
また、LINEキャンパスによると、LINE利用者の男女比は46.7%と53.3%とやや女性の方が多いものの、男女比の大きな隔たりはありません。
同様に、居住地域別の利用者割合を見ると、関東地方が34.6%と突出しており、近畿地方が19.0%、中部地方が18.9%と続きます。これらの利用率は日本全国の人口分布に比例しているため、地域別に大きく隔たっていることもありません。
LINEが年齢、性別、居住地を問わずに利用されていることから、自社のサービスのターゲットになる層が存在する可能性も高いです。他のSNS広告では利用者層の隔たりがあるため、自社の顧客になる可能性があるユーザーにリーチできる点はLINE広告ならではの強みと言えるでしょう。
オーディエンスの使用で配信したい層に絞って出稿できる
LINE広告では、オーディエンスを使用することで配信したい層に絞って出稿できます。LINEを利用しているユーザーは国内9,400万人と多いですが、オーディエンスを利用すれば特定のユーザー層を選んで広告を配信できるようになるため、自社サービスのターゲットを選んでの広告配信が可能です。
たとえば、20代男性向けのゲームアプリをLINE広告で出稿したい時は、広告出稿時に20代の男性と限定することで他の世代や女性に広告を表示させないように設定することができます。
また、自社の顧客データをアップロードして類似オーディエンスを作成し、既存顧客に近いユーザーにのみ広告を出稿することも可能です。
オーディエンスを活用することで、自社サービスに合うユーザーに絞った広告配信が可能になります。なお、オーディエンスの制度に関しては100%でなく、LINEユーザーの申告による見なし属性である点は注意してください。
オーディエンスについて詳しく知りたい場合は、『LINE広告のオーディエンスの種類と配信方法を解説』の記事を参考にしてください。
ファミリーアプリや提携アプリにも表示される
LINE広告を利用すれば、LINEアプリ内だけでなくファミリーアプリや提携アプリにも表示されます。そのため、LINEを個人との連絡用に使っており広告をあまり見ないユーザーに対してもファミリーアプリや提携アプリ内で接点を持つことが可能になります。
LINEアプリ内ではトークリストの上部やLINE NEWSなど13か所の配信場所があり、LINEアプリ内以外でもLINE MusicやLINEマンガなどのLINEファミリーアプリやLINEが審査を行って通過したLINE広告ネットワークに登録されているアプリに広告を配信することも可能です。
配信面の指定は不可できませんが、LINEアプリ内・LINEファミリーアプリ内の配信か、LINE広告ネットワークへの配信かの選択は可能です。「LINEアプリ内のトーク画面上部に配信したい」、「LINEファミリーアプリの特定のアプリに配信したい」などはできないので注意しましょう。
LINE広告で配信を開始までの流れ
LINE広告で配信を開始までは以下のような流れで設定を行います。全てオンラインで完結する上に専門用語の場合は設定画面に単語の説明があるので初心者でも心配なく設定が可能です。
【LINE広告を配信するまでの流れ】
手順 | 概要 |
アカウントの作成する | 公式サイトよりLINEビジネスIDを発行し、LINE広告と公式アカウントの2つのアカウントを作成する |
アカウント審査を受ける | LINE広告を出稿できるアカウントか審査を受ける必要がある |
キャンペーンを設定する | ウェブサイトのコンバージョンや友だち追加などキャンペーンの目的と月額予算の設定をする |
広告グループを設定する | 日予算とターゲティングの設定を行う |
広告内容(クリエイティブ)を設定する | 静止画、画像を入稿し、遷移先LPのURLやディスクリプションの設定を行う |
クリエイティブの審査を受ける | ユーザビリティに問題がないクリエイティブか審査を受ける必要がある |
アカウントの開設は誰でも可能ですが、広告配信を始めるのには審査に通過する必要があります。一部の業種やホームページを持たない企業は審査に通らないため、自社のサービスがLINE広告を活用できるか事前に確認しておくと良いでしょう。
アカウント審査に通過した後も、クリエイティブの審査に通らなければ広告の配信ができません。クリエイティブの審査では、URLの設定忘れや優良誤認を引き起こす訴求が使われているなど、主にユーザビリティの視点から審査が行われます。抜け漏れの無いように設定をし、ユーザーが不利益を被らないようなクリエイティブ作成を心がけましょう。
アカウント開設時とクリエイティブの審査は、それぞれ最長5営業日かかります。広告の配信開始までにかかる期間は審査が長引いたときのことを考え、10日~2週間はみておく必要があるでしょう。
LINE広告を始めるまでの流れについて詳しく知りたい人は、『LINE広告の始め方とは?アカウント設定から広告出稿後までの流れについて解説』の記事を参考にして見てください。
LINE広告を利用するのに準備すべき予算
業種ごとに適正な予算は異なりますが、LINE広告を始めるのには月30万円以上の予算があるのが望ましいです。アカウント開設は無料であり、出稿も低予算から始められるものの、LINE広告で費用対効果を高めるためにはある程度のまとまった予算が必要になるためです。
まず、LINEアプリ上で自社広告が出稿されるには、オークションに勝たなければなりません。LINE広告の最低入札単価は1円から可能ですが、オークションに勝つには最低でも1クリックに150円から250円程度の費用が必要になるため、月数千円や数万円の予算では広告が出稿されないか、数クリックされるだけで予算を使い切ってしまう可能性があります。
また、LINE広告で成果を上げていくためには、自動入札による学習が望ましいです。自動入札の学習が完了するまでには30件程度のコンバージョンが必要になると言われており、低額の予算では自動学習が進みません。
実際、安定した配信効果を得るためには、月30万円以上の出稿を3か月以上続けることをLINE社も推奨しています。もし月額30万円の予算を出すのが難しい場合でも、LINE広告を始める時は可能な限りの予算を準備して自動学習を進め、パフォーマンスが安定してきたら予算を絞るなどの対応を取ると良いでしょう。
配信事例から見る費用対効果
事例として、実際に友だち追加広告を配信している株式会社SoLaboが運営する広告アカウントである『創業融資ガイド』の友だち追加広告の費用対効果を紹介します。
目標はCPF(Cost Per Friends、友だち獲得単価)は320円、目標友だち獲得数が1250人で、月間の広告予算は月々40万円で運用しています。対象期間は2022年9月から2023年8月の間としています。
目標と予算の達成率としては、最もよかった月は2022年11月の達成率104.27%で、かかった広告費は約32万2000円です。最も悪かった月は2023年3月の達成率100.58%で、かかった広告費は約40万円でした。
月ごとにパフォーマンスに違いがあれど、もっとも成果の悪かった月でも達成率は100%を超えていることが読み取れます。SoLaboが自社アカウントにおいて毎月100%の成果を達成できている要因に関しては、次のような理由が考えられます。
【創業融資ガイドの広告配信が達成率100%を超える要因の考察】
- LINE社の推奨する30万円以上の予算をかけており自動配信が安定している
- CPFと予算に対して無理な目標値を設定していない
- toB商材なので競合が少なくCPFが低く抑えられている
- クリエイティブを適宜見直し成果のないバナーの入れ替えを行っている
予算や商材は企業毎に異なるため、他社がLINE広告を配信して常に安定した成果が得られるとは限りません。とくにtoC商材では競合も増えることが予想されるため、CPFが高騰し目標達成が難しくなる可能性があります。
とはいえ、月額30万円以上の予算で自動学習が安定しており、適切な目標値が設定されていれば、一定以上の配信効果は見込めるとも言えるでしょう。同時に、定期的にクリエイティブの成果を見直すことでクリック率の改善を並行するなど、運用する場合は配信効果を定点観測し、改善を繰り返していくことが重要となるでしょう。
まとめ
LINE広告はLINEアプリ内やLINEが提携しているサービスに広告を配信することができます。LINEでしか接点が持てないユーザーも数多く存在する点や、ユーザーデータを精度の高いターゲティングで興味関心のある人に絞ってアプローチできる点がLINE広告独自の強みです。
広告の配信方法や費用も一通りではないため、自社の予算や広告配信を通して得たい目標に合わせて自分で選択することができます。広告枠の獲得も自動入札を利用することによって効率改善や運用工数の削減が期待できます。
LINE広告で効果が実感できそうと感じた人は、LINEのビジネスサイトから、LINE公式アカウントの開設方法を確認してみてください。