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LINE公式アカウントのステップ配信とは?設定方法や配信されない場合の対処法を解説
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株式会社SoLabo(ソラボ)は、SEO、コンテンツ制作、SNS戦略からデータ分析まで、総合的なデジタルマーケティングでお客様のビジネスをサポートします。
LINE公式アカウントのメッセージ配信を自動化したいと考えている人もいるでしょう。
ステップ配信を使えば、あらかじめ指定した条件やタイミングに合わせて自動的にメッセージを送信することができます。また、配信するシナリオを途中で分岐させ、属性や条件によってユーザーを分けてそれぞれに異なるメッセージを配信することも可能です。
この記事では、LINE公式アカウントのステップ配信の活用や設定方法、設定したメッセージが配信されない場合の対処法について解説しています。ステップ配信を効果的に活用したい人や、メッセージが配信されず困っている人は参考にしてみて下さい。
ステップ配信は指定の条件やタイミングで一連のメッセージを自動配信できる
LINE公式アカウントのステップ配信では、指定の条件やタイミングで一連のメッセージを自動配信できます。配信開始の条件を指定し、メッセージ配信のタイミングと条件を設定してステップ配信のシナリオを作ることで、設定内容に合わせて自動的にメッセージの送信が可能です。
たとえば、友だち追加をステップ配信の開始条件とし、友だち追加の翌日、3日後、1週間後にあらかじめ設定した内容のメッセージを順番に送信できます。また、シナリオの途中でみなし属性による分岐を作成し、男性と女性で異なる内容のメッセージを配信することも可能です。
ただし、ステップ配信はWEB版のLINE公式アカウントのみの機能であり、アプリ版では利用できません。ステップ配信を利用する場合は、パソコンの管理画面から操作を行って下さい。
一連のメッセージでサービス利用への誘導やユーザーの定着に繋げられる
ステップ配信を利用すれば、一連のメッセージでサービス利用への導線を作ることや、ユーザーの定着に繋げることができます。
たとえば、友だち追加の翌日におすすめ商品の宣伝、3日後に口コミの紹介、1週間後にクーポンと商品購入ページへのリンクを送信することでユーザーをサービス利用へ誘導する流れを作ることが可能です。
また、ステップ配信のシナリオの中でクーポンやキャンペーン情報を配信し、LINE公式アカウントを利用するメリットを感じてもらうことでユーザーの定着に繋がります。
ステップ配信は商品の宣伝だけでなく、クーポンなどを活用し段階的に商品購入やサービス利用への意欲を高めていくことで、集客やLINE公式アカウントの利用促進に活用できるでしょう。
過去に反響のあったメッセージを新たに友だち追加したユーザー向けに配信できる
過去に反響のあったメッセージをステップ配信のシナリオに組み込むことで、新たに友だち追加されたユーザーへ向けて配信が可能です。
LINE公式アカウントのユーザーは、友だち追加後に配信されたメッセージからしか読むことができません。友だち追加前に配信されたメッセージはユーザー側で表示ができないため、過去のメッセージを読んでもらいたい場合には再度配信が必要です。
友だち追加を起点としたステップ配信であれば、友だち追加後からシナリオの配信が開始されます。すでにメッセージを受け取っているユーザーへ配信を重複させることなく、新たに友だち追加されたユーザーだけに過去に反響のあったメッセージを届けることが可能です。
ステップ配信に設定したメッセージは、友だち追加のタイミングに関わらずユーザーへ届けることができます。過去に配信したメッセージを新たに友だち追加されたユーザー向けに配信したい場合は、ステップ配信を利用すると良いでしょう。
ステップ配信はメッセージ通数を消費する
ステップ配信は、通数を消費して課金対象としてカウントされるメッセージです。
LINE公式アカウントで配信できるメッセージ数は、LINE公式アカウントの利用プランごとに上限が設けられています。ステップ配信を際限なく配信してしまうとメッセージ通数がプラン上限に達してしまうので、プラン上限の変更や従量課金で対処する必要が出てきます。シナリオが完了するまでのルートが長いほど1人につき多くのメッセージを消費することとなるため、配信の対象となる人数が多い場合は月間の配信数を超過する可能性が高まります。
また、全てのステップ配信がユーザーに読まれるとは限りません。分析機能を使えばメッセージごとの開封数やクリック数を見ることができるため、メッセージへの反響を検証しながら記載内容や配信数を調整しましょう。
なお、LINE公式アカウントから送れるメッセージ通数は、利用中のプランによって異なります。メッセージ通数のカウント方法や、プランごとに利用できる通数を知りたい人は「LINE公式アカウントのメッセージ数のカウントの仕方と確認方法」をご確認下さい。
ステップ配信の設定方法
ステップ配信を利用するには、以下の設定を行い配信するシナリオを作成します。
- メッセージタイトルや有効期限などの基本設定
- ステップ配信の開始条件
- 次のメッセージが配信されるまでの日数(待ち時間)の設定
- 配信メッセージの作成
- 配信条件(分岐)の設定
ステップ配信は、最大20件まで作成できます。
開始条件や配信の間隔、条件による分岐を自由に設定し、ユーザーに合わせた情報が指定のタイミングで自動配信されるよう設定してみましょう。
メッセージタイトルや有効期間などの基本設定を行う
ステップ配信の基本設定では、以下の項目を設定しましょう。
項目 | 概要 |
タイトル(*) | 管理用のメッセージのタイトルを50文字以内で設定。
ユーザーには公開されない |
タイムゾーン(*) | 配信時間や有効期間の基準となる地域の選択 |
有効期間 | 該当のステップ配信の有効期間を設定可能。
チェックボックスにチェックを入れると、開始と終了日程を指定できる |
配信数の上限 | 該当のステップ配信のメッセージ数の上限を設定可能。
チェックボックスにチェックを入れると配信数の上限を入力でき、上限を超えるとステップ配信が自動的に停止される |
(*)は設定必須項目
基本設定では、ステップ配信のタイトルや配信全体に関する基本的な項目を設定できます。
メッセージの有効期間を設定した場合、有効期間後に条件に一致したユーザーがいても該当のステップ配信は開始されません。ただし、有効期間中にステップ配信が開始されたユーザーには、有効期間が終了してもシナリオの完了までメッセージの配信が継続されます。
有効期間と配信数の上限の設定は必須ではなく、あとから変更も可能です。ステップ配信の作成時点で期間や配信数を限定しない場合は、タイトルとタイムゾーンのみ設定しましょう。
配信数の上限を設定してステップ配信を受け取れるユーザー数を制限できる
配信数の上限を設定することで、該当のステップ配信を受け取れるユーザー数を制限できます。限定の特典を配信する場合など、作成するステップ配信のメッセージを受け取れるユーザーに人数制限を設けたいときに活用が可能です。
配信数の上限は該当のステップが作成されてからの累計であり、月間のメッセージ通数に関わらず該当のステップが配信された総数が設定した数値を上回った場合は、自動的に配信が停止されます。また、利用中のステップ配信にあとから配信数の上限を設定する場合、設定した時点からの配信数ではなく設定前に配信された分のメッセージも配信数に含まれます。
配信数の上限の入力画面右側に表示されている「配信済みのメッセージ数」は、これまでに該当のステップが配信された総数です。配信数の上限を設定する際は、配信済みのメッセージ数を含めた配信数を入力しましょう。
ステップ配信の開始条件を設定する
ステップ配信が開始される条件を、友だち追加またはオーディエンスから選択して下さい。
友だち追加を選択した場合、追加日と追加経路の選択が可能です。追加日に設定した日以降に友だち追加されたユーザーへ該当のステップ配信が開始されます。また、追加経路では検索や友だち追加アイコンといった特定の経路で友だち追加されたユーザーのみにステップ配信を開始することができます。
オーディエンスを選択した場合は、あらかじめ作成したオーディエンスに該当するユーザーのみのステップ配信の開始が可能です。オーディエンスとは、指定の条件を元に作成されるユーザーのグループであり、タグ付けされたユーザーやメッセージを開封したユーザーなど、条件に合ったユーザーに絞ってステップ配信を開始できます。
設定した開始条件に当てはまったユーザーには、自動的にステップ配信が開始されます。ただし、ステップ配信に設定中のオーディエンスが利用できなくなると該当するシナリオの配信が停止されるため、オーディエンスを削除する際はステップ配信の条件として使用していないかを確認しましょう。
配信するメッセージを作成する
ステップ配信の開始条件を設定したら、メッセージの内容を作成していきましょう。
項目 | 概要 |
メッセージラベル | メッセージを識別するためのラベルを20文字以内で設定可能。
ユーザーには公開されない |
配信時間帯(*) | 該当のメッセージが配信される時間帯を設定する。
通数が多く設定時間内に配信できなかった場合は、翌日の同時間帯に配信が持ち越される |
メッセージ内容(*) | 配信するメッセージ内容を作成する。
1通あたり3つの吹き出しまで設定が可能 |
(*)は設定必須項目
ステップ配信のメッセージでは、通常のメッセージ配信と同様に画像や動画、クーポンなどを配信できます。配信されるユーザーに合わせた内容の情報やクーポンを配信しましょう。
また、配信時間帯を設定して、ユーザーに読んでもらいやすい時間帯に合わせてメッセージを送信することも可能です。メッセージの分析機能などを使って、メッセージが開封されやすい時間帯を把握しておくと良いでしょう。
次のメッセージが配信されるまでの日数を設定する
ステップ配信の開始条件やメッセージの配信から、次のメッセージが配信されるまでの待ち時間となる日数を設定しましょう。
待ち時間は1~30日の間で設定でき、メッセージごとに配信の間隔を変えることも可能です。
適切な待ち時間を設定することで、ユーザーにメッセージを読んでもらいやすく、効率的に商品やサービスの利用に繋げることができます。友だち追加の翌日に友だち追加のお礼のメッセージを送信し、1週間後にクーポンを送信するなど、送信する内容に合わせて待ち時間を調整すると良いでしょう。
配信条件を設定してメッセージのルートを分岐させる
配信条件を設定して、ステップ配信のシナリオ内でメッセージのルートを分岐させることが可能です。
条件分岐にはみなし属性または作成したオーディエンスを利用し、それぞれのルートで配信内容を変えることができます。過去の配信でメッセージを開封してくれたユーザーだけに次回のメッセージを配信することや、みなし属性をもとにユーザーに合わせた内容での配信が可能です。
配信されるステップは1つのルートに10個まで、ステップ配信全体で50個まで作成できます。複数の分岐を作ることで、ターゲットを細かく絞り込んでそれぞれのニーズに合わせた効率的な配信ができるでしょう。
利用中のステップ配信の公開停止や削除が可能
利用中のステップ配信は、公開停止や削除が可能です。ステータスの変更やステップ配信の削除によって、利用中のステップ配信を止めることができます。
【ステップ配信のステータス】
ステータス | 新規流入/
メッセージ配信 |
配信の再開 | 分析の閲覧 |
利用中 | 〇 | — | 〇 |
停止 | × | 〇 | 〇 |
アーカイブ | × | × | 〇 |
削除 | × | × | × |
ステータスを「停止」にした場合、一時的に新規のステップ配信の開始とステップ配信中の次回のメッセージ配信を停止できます。ステータスが停止の場合はいつでもメッセージ配信を再開でき、配信停止中も分析の閲覧が可能です。
アーカイブを選択した場合はステップ配信が停止され、シナリオの編集や配信の再開を行うことはできません。また、ステップ配信を削除した場合は、シナリオが完全に削除されるため分析の閲覧もできなくなります。一度削除したステップ配信は復元することができないため、今後配信の予定がなくとも分析データを閲覧する可能性がある場合は、ステータスをアーカイブにしておくと良いでしょう。
ステップ配信が送信されない原因と対処法
利用中のステップ配信でメッセージが送信されない場合、以下の原因が考えられます。
- メッセージ配信数が上限を超えている
- 設定した配信時間帯にメッセージを配信しきれていない
- ユーザーからブロックされている
ステップ配信が稼働していない原因が分かれば、適切な対処をすることで不具合を解決できるケースがあります。ステップ配信のステータスが利用中にも関わらずメッセージが送信されないときは、以下を参考にしてみて下さい。
メッセージ配信数が上限を超えている場合はプランをアップグレードする
LINE公式アカウントの利用プランによって月間のメッセージ配信数に上限があるため、上限を超えている場合にはステップ配信が自動的に停止されます。当月中に配信を再開させたい場合には、利用プランをアップグレードしましょう。
当月のメッセージ配信数は管理画面の「メッセージ配信」>「メッセージリスト」から確認できます。メッセージ通数がプランの上限を超えてしまうと、シナリオの途中であってもステップ配信のメッセージは送信されなくなります。
LINE公式アカウントのプランをアップグレードし、配信可能なメッセージ通数を増やすことでステップ配信が再開されます。プランの変更が難しい場合は、翌月に配信数のカウントがリセットされるのを待ちましょう。
なお、LINE公式アカウントのプランについては「LINE公式アカウントの料金について解説」で解説しています。料金や配信可能なメッセージ通数などプランの詳細を知りたい人は参考にしてみて下さい。
配信数が多い場合は配信時間帯を長く設定する
ステップ配信のメッセージ作成で設定した配信時間帯が短い場合、設定時間内にメッセージを配信しきれていない可能性があるため、配信時間帯の設定を延ばしてみましょう。
配信時間帯は最短1時間の範囲で設定可能ですが、ステップ配信の対象者が多い場合などは配信に時間が掛かり、設定時間内に配信が完了されない場合があります。
LINEの公式サイトでは、配信時間帯を3時間以上の範囲で設定することを推奨しています。配信時間帯で配信が完了できなかったメッセージは翌日の同時間帯に配信が持ち越されるため、予定通りにメッセージを送信できるよう配信時間帯を幅広く設定すると良いでしょう。
シナリオの途中でブロックされたら次のステップ以降は配信されない
ステップ配信のシナリオの途中でユーザーからブロックされると、次のステップ以降はメッセージが配信されなくなります。
ブロックされた場合は、ユーザーがブロックを解除しない限り配信は再開されません。また、ユーザーからブロックを解除された場合も、新規の友だち追加とみなされ最初のステップからの配信となります。
ユーザーからブロックされると、LINE公式アカウント側からユーザーへ連絡を取る手段がありません。LINE公式アカウントの運用方法を工夫し、ユーザーにメリットを感じてもらえる内容を適切な頻度で配信するなどブロックを抑える工夫をしてみて下さい。
まとめ
LINE公式アカウントのステップ配信では、指定の条件やタイミングに合わせてメッセージを自動配信できます。
ステップ配信は一度シナリオを作成すればメッセージ配信を自動化できるほか、条件による分岐やユーザーの絞り込みで、相手に合わせた効果的な配信が可能です。
ただし、ステップ配信のメッセージは課金対象としてカウントされ、メッセージ通数がプランの上限を超える場合はシナリオの途中のユーザーがいても次回以降の配信が停止されます。条件分岐を利用した絞り込み配信や、メッセージごとの開封数を見ながら適切な頻度と内容での配信を行うことで、通数の消費を抑えて効率的にステップ配信を活用できるでしょう。